高卒警察官の年収・給料はいくら?警視庁Ⅲ類の公式給与例【2026年】

高卒警察官の年収・給料はどれくらい?収入を上げるポイントを徹底解説

高卒で警察官になると、年収はいくらなのか。警視庁のⅢ類採用では、採用時の給与月額は279,400円、実務2年目の年収例は6,045,700円です(令和8年1月1日時点の公式モデル)。ただし、後者は初年度の年収でも全国の高卒警察官の平均でもなく、実際の支給額は勤務地・勤務実績・手当で変わります。

古い資料の平均給与から高卒者だけの「平均年収」を計算したり、階級ごとに年収を断定したりすることはできません。この記事では、警視庁の公表値から読み取れることと、採用区分・昇任・試験準備を分けて解説します。あわせて、総務省の令和7年統計にある「高校卒の警察官」の経験年数別の平均給料月額、退職手当の実績、警視庁Ⅲ類の合格倍率も、公式の数字のまま紹介します。

監修:元警視庁警察官・安齋 海社。給与・募集条件は更新されるため、出願前に必ず警視庁の給与・昇任制度と警視庁採用情報を確認してください。

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目次

結論:高卒で受ける警視庁Ⅲ類の初任給と年収例

警視庁の採用区分採用時の給与月額実務2年目の年収例
Ⅲ類(高卒程度)279,400円6,045,700円
Ⅰ類(大卒程度)321,900円6,574,400円
警視庁「給与・昇任制度」掲載の令和8年1月1日時点の例。採用時の給与月額には地域手当20%を含みます。実務2年目の年収例は賞与と一定の手当等を含むモデルで、全員の実収入や初年度年収を示すものではありません。

ここでいう「高卒」は警視庁Ⅲ類という採用区分を指します。年収例6,045,700円は、実務2年目に一定の勤務をした場合の公式モデルで、採用初年度の収入や全都道府県の高卒警察官の平均年収とは異なります。Ⅰ類の金額は比較のために併記しましたが、採用区分だけから将来の収入差を一律に決めることもできません。

給与の「279,400円」は地域手当20%を含む月額です。月額を単純に12倍し、年収例や賞与を足して初年度の年収を算出するのは適切ではありません。採用時期や支給対象となる手当・勤務実績により実額は変わります。出典:警視庁「給与・昇任制度」。

「高卒警察官の平均年収」は公表値と区別する

検索すると「高卒警察官の平均年収450万〜550万円」などの数字が出てきます。しかし、給与統計の全警察官平均には大卒者や幅広い年代・階級が含まれ、そのまま高卒者全体の平均値として使えません。古い全国平均に現在の賞与を掛け合わせた推計も、警視庁Ⅲ類の年収を表すものではありません。

勤務先を比較するなら、同じ年度・採用区分・諸手当の範囲にそろえ、各都道府県警察の採用案内にある初任給や公式モデルを確認しましょう。「年収例」と「平均年収」、「給与月額」と「手取り」は別の指標です。東京都内のモデルと手当の読み方は警視庁警察官の給料・年収の記事、全国的な比較の注意点は警察官の年収記事も参照してください。

【経験年数別】高卒警察官の平均給料月額(総務省・令和7年)

「高卒の警察官は、何年目でいくらもらえるのか」。この問いに公式の数字で答えられるのが、総務省「令和7年地方公務員給与実態調査」です。全国の都道府県警察の警察官(統計上は「警察職」)について、学歴別・経験年数別の平均給料月額が載っています。高校卒の警察官は全国で105,729人、平均経験年数は20.1年です。

経験年数年齢の目安高校卒大学卒
1年未満18~19歳228,172円257,614円
1年以上2年未満19~20歳235,915円262,640円
2年以上3年未満20~21歳244,665円268,867円
3年以上5年未満21~23歳255,389円276,820円
5年以上7年未満23~25歳267,084円284,703円
7年以上10年未満25~28歳280,939円294,683円
10年以上15年未満28~33歳296,896円319,094円
15年以上20年未満33~38歳328,364円358,921円
20年以上25年未満38~43歳368,541円395,348円
25年以上30年未満43~48歳401,525円419,053円
30年以上35年未満48~53歳417,220円427,628円
35年以上53歳~415,409円404,268円
全体平均―343,342円348,722円
出典:総務省「令和7年地方公務員給与実態調査」 第6表「職種別,経験年数別,学歴別職員数及び平均給料月額」1 団体区分別(都道府県・警察職)。令和7年4月1日現在。2026年9月21日に原表を取得して確認。「年齢の目安」は高校卒業後18歳で採用された場合の当サイトによる換算で、統計の項目ではありません。

この表は給料月額、つまり基本給だけの平均です。地域手当・時間外勤務手当・扶養手当などの諸手当と、期末・勤勉手当(ボーナス)は入っていません。同じ統計で警察職全体を見ると、諸手当は月平均148,600円、期末・勤勉手当は年額1,855,952円です。実際の月収や年収は、表の金額よりかなり大きくなります。

数字から読み取れることは3つです。1つ目、採用直後の差は月約3万円。2つ目、経験30年を超えると差は約1万円まで縮まります。3つ目、経験35年以上では高校卒の平均が大学卒を上回っています。高校卒は18歳から勤続を積めるためです。この統計で見るかぎり、平均給料の差は学歴よりも経験年数のほうに大きく表れています。

なお、学歴別の「年収」や「手当込みの月収」は、この統計では公表されていません。高校卒の警察官だけの平均年収を言い切る数字には、公式の根拠がないと考えてください。警察官全体の平均給与月額・都道府県別の差は警察官の年収記事で解説しています。

高卒と大卒で給与はどう違う?

採用時の違いは同じ年度・同じ警視庁の区分で見る

上表のとおり、警視庁の掲載例ではⅢ類の採用時月額279,400円、Ⅰ類321,900円です。Ⅲ類とⅠ類の金額を取り違えた情報や、年度の異なる自治体の初任給を並べた表は比較に使えません。また、この額は額面であり、税・社会保険料控除後の手取りではありません。

昇任後の年収を学歴だけで決めない

採用後の給与は、給料表の適用、勤務年数、昇任、勤務場所、扶養や住居などの条件、勤務実績で変わります。「高卒と大卒が同じ階級なら必ず同額」とも、「高卒だから一定の階級で止まる」とも断定できません。警視庁の昇任制度は、能力と実績を踏まえたキャリア形成について説明しています。

警察官の法律上の階級は巡査から警視総監までの9階級です。「巡査長」は階級ではなく巡査に対する呼称・職務上の区分であり、階級ごとの固定年収表も公式資料からは示せません。階級と昇任の仕組みはこちら。

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高卒警察官の退職金はいくら?

退職手当は、退職時の給料月額・勤続年数・退職理由で決まります。学歴で計算式が変わるわけではありません。18歳で採用されて定年まで勤めれば、勤続年数は大卒採用より4年ほど長くなります。

退職の区分(警察官・全国)支給人員1人当たり平均
勤続25年以上の定年退職3,854人約2,221万円
自己都合退職2,593人約362万円
出典:総務省「令和7年地方公務員給与実態調査」 第9表の1「団体区分別,職員区分別,退職事由別,年齢別退職者数及び退職手当額」(全地方公共団体・警察官)。令和6年度中の退職者。1人当たり平均は手当総額÷支給人員による当サイト算出。学歴別の集計は公表されていません。

定年まで勤め上げた警察官の平均は約2,200万円です。途中で辞めると金額は大きく下がります。条例改正で制度が変わることもあるため、この実績は将来の支給額を約束するものではありません。

警視庁Ⅲ類(高卒程度)の合格倍率

給与の次に気になるのは、受かるかどうかでしょう。警視庁は採用情報のページで、直近3年度の受験者数・合格者数・倍率を公表しています。Ⅲ類の数字を抜き出します。

警視庁Ⅲ類令和7年度令和6年度令和5年度
男性・教養試験3.4倍(2,159人→642人)5.5倍(1,960人→358人)8.0倍(2,173人→272人)
男性・SPI35.6倍(211人→38人)実施せず実施せず
女性・教養試験3.4倍(813人→238人)4.4倍(716人→162人)6.0倍(815人→136人)
女性・SPI33.3倍(83人→25人)実施せず実施せず
出典:警視庁「採用情報(警察官)」合格倍率。カッコ内は受験者数→合格者数。2026年9月21日確認。

男性Ⅲ類の倍率は、令和5年度の8.0倍から令和7年度は3.4倍まで下がりました。同じ令和7年度のⅠ類(教養試験)は男性3.0倍・女性2.7倍で、Ⅲ類のほうがやや高い水準です。倍率が下がっても、受験者の約7割は不合格です。準備なしで通る試験ではありません。

高卒から合格を狙う勉強の進め方

1. 筆記は「教養試験」か「SPI3」かを先に決める

警視庁Ⅲ類の第1次試験は、申込時に教養試験とSPI3のどちらかを選びます。教養試験は五肢択一式30題・1時間10分で、文章理解・判断推理・数的処理・資料解釈・図形判断と、社会科学・国語・英語・時事が出ます。SPI3はⅢ類の場合GAT-Hで、択一式90~95題・1時間10分です。試験回によって筆記の方式が指定されることもあります。どちらで受けるかで勉強の中身が変わるので、受ける試験回の案内を確認して最初に決めてください(警視庁「採用情報(警察官)」試験の方法)。

2. 作文は早めに書き始める

論(作)文試験は1題・1時間です。高校生や既卒の受験生は、筆記に時間を使いすぎて作文が後回しになりがちです。週1本でも書いて、人に読んでもらう習慣を先につくりましょう。

3. 面接と体力検査を後回しにしない

第2次試験は面接・身体検査・体力検査・適性検査です。体力検査の種目は腕立て伏せ・バーピーテスト・上体起こし・反復横跳び。面接では「なぜ警察官か」「なぜ警視庁か」を自分の言葉で話せるかを見られます。独学・予備校・オンラインのどれを選んでも、この3つを並行して進める計画にしてください。

高卒から警察官を目指すための確認事項

  • まず、志望する警察本部の最新年度の採用案内で受験資格、年齢、申込期限、試験区分を確認する。
  • 警視庁Ⅲ類など該当する区分について、適用年度の募集日程と試験方法を確認する。令和8年度の募集案内と令和9年度の前倒し試験を混同しない。
  • 受験する試験方式に沿って筆記・論文/作文・面接・適性・身体検査の対策を進める。試験科目や選択方式は区分・日程で変わるため、公式案内を優先する。

学歴だけで受験可否は決まりません。年度別の年齢・学歴等の条件を警視庁公式採用案内で確認してください。採用後に大学を卒業したら自動的にⅠ類へ切り替わる、あるいは都道府県警察から警察庁の国家公務員へ自動的に転籍できる、といった扱いではありません。

試験全体の進め方は警察官になるには、高卒からの受験でよくある疑問は高卒で警察官になる方法で詳しく整理しています。

よくある質問

高卒警察官の平均年収はいくらですか?

この警視庁の資料は「全国の高卒警察官の平均年収」を公表していません。警視庁Ⅲ類の実務2年目年収例は6,045,700円ですが、全国平均や個人の保証年収ではありません。

警視庁Ⅲ類の初年度年収はいくらですか?

公式資料の採用時給与月額は279,400円です。実務2年目の年収例を初年度に読み替えることはできません。採用月・賞与支給条件・勤務実績等で変わるため、最新の採用案内で確認してください。

大卒と同じ階級になれば給料も同じですか?

階級だけで一律の額にはなりません。号給、勤続年数、勤務地、勤務実績、各種手当等によって実際の給与は異なります。

高卒から受験できるのはⅢ類ですか?

警視庁ではⅢ類が高卒程度の採用区分です。ただし、具体的な受験資格、年齢、試験方法、日程は年度ごとに変わり得るため、申込前に当該年度の公式募集案内を確認してください。

高卒警察官は何年目でいくらもらえますか?

総務省の令和7年地方公務員給与実態調査では、高校卒の警察官の平均給料月額は、経験1年未満228,172円、10年以上15年未満296,896円、20年以上25年未満368,541円、30年以上35年未満417,220円です。基本給のみの平均で、諸手当とボーナスは含みません。

警視庁Ⅲ類の倍率はどのくらいですか?

警視庁の公表では、令和7年度Ⅲ類の倍率は男性が教養試験3.4倍・SPI3で5.6倍、女性が教養試験3.4倍・SPI3で3.3倍です。令和5年度の男性8.0倍・女性6.0倍から下がっています。

高卒警察官の退職金はいくらですか?

学歴別の公表値はありません。警察官全体では、令和6年度に勤続25年以上で定年退職した3,854人の退職手当が1人当たり平均約2,221万円です(総務省統計の手当総額÷人員による当サイト算出)。

まとめ:公式の「給与例」を出発点に判断する

警視庁Ⅲ類の採用時給与月額は279,400円、実務2年目の年収例は6,045,700円(令和8年1月1日時点)。平均年収や初年度年収と取り違えないことが、進路を比較する第一歩です。高卒からの受験資格と試験方式も年度ごとの公式案内で確かめてください。総務省統計では、高校卒の警察官の平均給料月額は経験1年未満228,172円から30年以上35年未満417,220円へ上がり、大学卒との差は勤続とともに縮まります。

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安齋 海社(警志塾 講師/元警視庁警察官)

この記事の監修者

安齋 海社警志塾 講師/元警視庁警察官

2015年に警視庁警察学校へ入校し、卒業後は三田警察署に配属。2018年から警視庁警備部機動隊に所属し、2020年に退職。現在は警視庁採用試験に特化したオンライン予備校「警志塾」で、面接対策を中心に受験指導を行っています。記事は警視庁・警察庁の公式発表をもとに作成し、制度変更にあわせて更新しています。

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