警視庁は、警察官の年間休日数を「○日」という一つの数字では公表していません。公式採用情報では、週休日は4週間につき8日で、このほか祝日休、年末年始休、年次有給休暇20日、各種特別休暇があります。一方、夜間勤務明けの「非番」は週休日と同じ意味ではありません。
そのため、非番を丸1日の休日として足し、独自に大きな年間休日数へ換算するのは不正確です。一般企業の年間休日とも同じ条件では比較できません。
この記事では、警視庁が公表している制度と勤務例に基づき、非番・週休・休日・休暇を分けて説明します。所属、担当業務、事件・事故の発生状況によって実際の勤務は変わるため、個別の勤務例を警察官全員に当てはめないことも大切です。
対象: 警視庁の勤務制度・公式事例/情報確認日: 2026年9月16日
主な一次資料: 令和8年度警視庁採用情報「勤務制」「週休日・休日・休暇」、地域警察官の一日、刑事の8日間
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結論:非番と週休は別のもの
警察官の休みを理解するには、勤務表で使われる言葉を分けて考える必要があります。
| 用語 | 意味 | 休日としての扱いを考えるポイント |
|---|---|---|
| 第一当番 | 警視庁の交番勤務の公式例では日勤 | 勤務日 |
| 第二当番 | 同じ公式例では夜勤 | 勤務が翌朝まで続く |
| 非番 | 夜勤明けの日 | 夜勤終了後の時間であり、週休日そのものではない |
| 週休・週休日 | 勤務を割り振らない休み | 警視庁は4週間につき8日と案内 |
| 祝日休・年末年始休 | 公式採用情報に記載された休日 | 実際の日程は勤務制や勤務表による |
| 年次有給休暇 | 給与が支給される休暇 | 警視庁は20日と案内。取得日は業務との調整が必要 |
| 特別休暇など | 夏季、結婚、出産支援、ボランティアなど | 要件や手続は休暇の種類ごとに異なる |
最大の注意点は、非番を週休日と同じ「丸1日の休み」として数えないことです。警視庁の地域警察官の公式例では、夜勤は非番日の午前中まで続き、勤務終了後に帰宅しています。
警視庁の公式な週休日・休日・休暇
令和8年度の警視庁採用情報には、次の制度が掲載されています。
- 週休日: 4週間ごとの期間につき8日
- 祝日休
- 年末年始休
- 年次有給休暇: 20日
- 特別休暇: 夏季、結婚、出産支援、ボランティアなど
- 介護休暇、育児休業など
警視庁はこのページで、「年間休日○日」という一つの数字にはまとめていません。交替制勤務では勤務明けの非番があり、休日の配置も暦どおりとは限らないためです。
したがって、民間企業の求人票にある年間休日と比べるときは、少なくとも次の3つを分けて確認しましょう。
- 勤務が割り振られない週休日・休日
- 夜間勤務が終わった後の非番
- 申請して取得する年次有給休暇・特別休暇
毎日制勤務と交替制勤務
警視庁の勤務制は、配属先や職務によって異なります。公式採用情報では、次のように案内されています。
毎日制勤務
勤務時間は原則として午前8時30分から午後5時15分までです。ただし、同じ警察官でも、担当事件、当番、行事、災害対応などによって勤務が延びたり、通常と異なる勤務になったりすることがあります。「毎日制なら夜間・休日の対応は一切ない」とは限りません。
交替制勤務
職務により三部制から八部制までに分かれ、交番勤務は四部制、4日に1回の夜間勤務とされています。
ここでいう部制は、勤務を切れ目なく維持するための班編成・ローテーションです。全国すべての都道府県警察が同じ勤務サイクルとは限りません。警視庁は地域警察官の一日で、全国警察で唯一、4交替制勤務を採っていると説明していますが、他の警察本部の具体的な勤務制は、それぞれの最新採用情報で確認する必要があります。
交番勤務の4日サイクル
警視庁が紹介する地域警察官の例は、次の4日で一つのサイクルになっています。
第一当番(日勤) → 第二当番(夜勤) → 非番(夜勤明け) → 週休(休み)
| 日 | 区分 | 公式例での流れ |
|---|---|---|
| 1日目 | 第一当番(日勤) | 日中に交番勤務、巡回連絡、パトロール、110番通報への対応などを行う |
| 2日目 | 第二当番(夜勤) | 午後から勤務し、夜間のパトロール、事件・事故対応、書類作成などを行う |
| 3日目 | 非番(夜勤明け) | 午前中まで勤務して引継ぎ後に退庁し、その後は休息を取る |
| 4日目 | 週休 | 勤務を割り振らない休み |
これは警視庁が掲載している一人の地域警察官の例です。110番通報、事件処理、引継ぎなどにより時刻は変動します。全所属・全職員の固定スケジュールではありません。
非番は何をする日?「待機日」と言い切れない理由
非番は、公式例では「夜勤明け」と表示されています。第二当番の勤務は日付をまたぎ、非番日の朝もパトロールや引継ぎなどを行った後、勤務が終わります。したがって、非番は最初から24時間自由な休日ではありません。
一方で、「非番=一日中拘束される待機日」と説明するのも正確ではありません。警視庁の公式例では、退庁後に昼食、洗濯、仮眠などをして過ごしています。非番は、夜勤終了後の生活時間であり、体調を整える時間でもある、と理解するのが実態に近いでしょう。
所属や仕事による差もあります。警視庁の刑事の8日間では、刑事が非番日に当番中の事件について書類作成などの事務処理を行い、その後に帰宅する例が掲載されています。
また、警視庁警察職員服務規程第36条は、病気や負傷などで休養している場合を除き、職員が緊急の招集等に応じられるようにしておくことを定めています。これは非番だけを「待機日」とする規定ではなく、緊急時の服務上のルールです。
警視庁が公開している勤務スケジュール例
地域警察官:4日間の例
警視庁の公式例では、第一当番は午前7時30分の早朝術科訓練、午前9時30分の交番勤務開始を経て、午後4時15分に退庁しています。第二当番は午後2時30分に出勤し、午後3時30分から交番で夜勤に入り、翌朝まで続きます。
非番日の午前9時30分に交番勤務を終え、引継ぎなどをして午前10時30分に退庁。その後は帰寮し、仮眠を取るなどして体を休めています。4日目が週休です。
これは業務を理解するための具体例であり、標準時刻を保証するものではありません。事件・事故が発生すれば、その対応が優先されます。
刑事:事件発生から8日間の例
警視庁の公式コンテンツでは、知能犯捜査係の刑事が、特殊詐欺事件の発生から被疑者の逮捕・送致まで対応する8日間を紹介しています。
- 1日目: 当番。110番通報を受け、初動捜査や書類作成を行う
- 2日目: 非番。引継ぎや事務処理の後に帰宅して休息を取る
- 3〜7日目: 防犯カメラ捜査、張り込み、令状請求、逮捕、取調べ、送致など
- 8日目: 休日
この8日間は、一つの事件を追った業務例です。刑事の固定的な勤務表ではなく、警視庁自身も「状況によりスケジュールは変動する」と注記しています。地域警察官の4交替例と混ぜて、「警察官の標準的な一日」として扱わないようにしましょう。
有給休暇や連休は取れる?
警察官にも年次有給休暇があります。警視庁の現行採用情報では20日と案内され、このほか夏季、結婚、出産支援、ボランティアなどの特別休暇、介護休暇、育児休業などが掲載されています。
警視庁の地域警察官の紹介ページでは、月内の連休や夏休みについても案内されています。ただし、希望した日を必ず自由に選べるという意味ではありません。所属の勤務体制、人員、事件・事故、警備や行事の予定などを踏まえ、職場で調整して取得します。
制度として休暇があることと、「いつでも希望どおりに取れること」は別です。なお、現在の採用情報で確認できる年次有給休暇は「20日」です。
家庭・旅行・生活リズムへの影響
交替制勤務には、平日の昼間に用事を済ませやすい、週休の使い方を工夫できるといった面があります。一方で、夜勤後は睡眠を取り直す必要があり、家族や友人と休みが合わないこともあります。事件・事故や大規模警備などで予定が変わる可能性も考えておく必要があります。
旅行や外泊については、曖昧なうわさではなく現行の服務規程を確認しましょう。警視庁警察職員服務規程第38条では、次のように区別されています。
- 外出または日帰り旅行: 有事等の際の連絡に支障を来さないよう、必要な措置を講じる
- 外泊または2日以上にわたる旅行: 所属長の承認を受ける
したがって、「休日の外出はすべて事前の届出が必要」と一括りにするのは正確ではありません。遠出や連泊を計画するときは、勤務表を早めに確認し、所属の手続に従うことが大切です。
家庭行事についても同様です。週休や休暇制度を利用できる一方、必ず希望日になるとは限りません。家族と予定を共有し、早めに職場で相談することが、交替制勤務と生活を両立する基本になります。
警察官の働き方をさらに知りたい方へ
- 給与・手当: 警視庁警察官の給与は高い?
- 採用後の教育: 警察学校の生活
- 配属ごとの役割: 警察官の仕事内容
- 受験から採用まで: 警察官になるには
警察官の休みに関するよくある質問
- Q1. 警察官は土日休みですか?
-
必ずしも土日が休みとは限りません。警視庁の交番勤務は4交替で、週休はローテーションに入ります。毎日制勤務でも、担当業務や当番、事件・行事などにより勤務する場合があります。公式には、週休日は4週間につき8日と案内されています。
- Q2. 非番の日は自由に外出できますか?
-
警視庁では、非番は夜勤明けで、週休日とは別です。勤務終了後に外出すること自体を一律に禁止する説明は、警視庁の公式規程と一致しません。ただし、外出・日帰り旅行では緊急時の連絡に支障がない措置が必要で、外泊または2日以上の旅行には所属長の承認が必要です。他の都道府県警察については、それぞれの服務規程を確認してください。
- Q3. 警察官は長期休暇を取れますか?
-
警視庁には年次有給休暇20日や夏季などの特別休暇があり、公式の地域警察官紹介では連休や夏休みも案内されています。ただし、取得時期は所属の勤務体制や業務状況との調整が必要で、希望日が必ず認められるとは限りません。
- Q4. 家族行事に合わせて休めますか?
-
週休や年次有給休暇、要件に合う特別休暇を利用することはできます。ただし、交替制勤務では勤務表や人員配置との調整が必要です。予定が決まった段階で早めに申請・相談するのが現実的です。
まとめ:休みの多さは「非番」と「週休」を分けて判断する
警視庁には、4週間につき8日の週休日、祝日休、年末年始休、年次有給休暇20日、各種の特別休暇があります。一方、非番は夜勤明けの日であり、週休日ではありません。
警察官の働き方を検討するときは、非番を含めて作った大きな年間休日数ではなく、勤務制、夜勤の頻度、非番の過ごし方、週休、休暇の取得方法を分けて確認してください。配属先や事件・事故によって変動する仕事であることまで含めて考えると、採用後の生活をより現実的にイメージできます。
一次資料
- 警察官(Ⅰ・Ⅲ類)|令和8年度警視庁採用サイト
- 地域警察官の一日|令和8年度警視庁採用サイト
- 刑事の8日間|令和8年度警視庁採用サイト
- 警視庁警察職員の休日、休暇等に関する規程
- 警視庁警察職員服務規程
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