高卒で警察官になることは「デメリットばかり」ではありません。大学進学を経ずに警察官を目指せる一方、警視庁のⅢ類はⅠ類より採用時給与月額が低く、警察学校の初任教養が長い、という違いがあります。どちらがよいかは受験資格・進学費用・就職時期・将来の選択肢を合わせて考える必要があります。
警視庁の令和8年1月1日時点の公式掲載例では、採用時給与月額はⅢ類279,400円、Ⅰ類321,900円。令和8年度の採用案内では初任教養がⅢ類10か月、Ⅰ類6か月です。試験が簡単、必ず年収が低い、昇任できない、といった断定はできません。
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高卒と大卒の警察官採用、何が違う?
| 比べる項目 | 警視庁Ⅲ類(高卒程度) | 警視庁Ⅰ類(大卒程度) |
|---|---|---|
| 採用時の給与月額 | 279,400円 | 321,900円 |
| 警察学校の初任教養 | 10か月 | 6か月 |
| 筆記方式 | 令和8年度の第1回通常試験・第2回は教養試験かSPI3を申込時に選択。第1回・前倒しⅠ類はSPI3と論文 | |
資料の年度や対象区分が異なる数字を単純に比較しないことが重要です。初任給は採用時点・地域手当の扱いで変わります。警視庁「給与・昇任制度」、採用案内の双方を出願時に確認してください。警視庁のⅠ・Ⅲ類と他県警のA・B区分を全国一律に同じ扱いにもできません。
なお、Ⅲ類は「高校卒業程度」の試験区分で、高卒者以外を一律に排除する意味ではありません。警視庁の採用FAQは、大学卒業者もⅢ類を受験できると説明しています。ただし試験回・区分ごとに年齢等の条件と採用後の初任教養・給与が異なるため、最終的には当該年度の案内で判断してください。
高卒で警察官を目指すメリット
大学進学の費用と時間をかけずに受験を検討できる
高校卒業後に採用されれば、大学進学を経る場合より早く警察官として働き始める選択肢があります。進学費用を抑えられる可能性もありますが、採用試験の合格、採用時期、学校での初任教養を含めて考えましょう。大学進学の価値は警察官以外の進路にも及ぶため、学費だけで結論を出す必要はありません。
早い時期から現場で経験を積める
採用後は警察学校で初任教養を受け、その後実務を経験します。早期の就職には経験を積む時間が生まれる一方、「同年齢の大卒者より必ず昇任が早い・遅い」という計算はできません。勤務実績や配置、昇任制度は別に確認してください。
デメリット・注意点は何か
採用時の給与月額には区分差がある
警視庁の掲載例ではⅢ類とⅠ類の採用時給与月額の差は42,500円です。ただし、この差をそのまま生涯賃金や将来の年収差に掛け算することはできません。賞与、勤務実績に応じた手当、在職期間、昇任などが影響します。給与だけを詳しく比較したい方は高卒警察官の年収・給料の記事を確認してください。
警察学校の初任教養はⅢ類の方が長い
警視庁の令和8年度案内ではⅢ類10か月、Ⅰ類6か月です。これは「就職後に一定期間教育を受ける」という時間上の違いであり、それだけでどちらが有利・不利と決まるものではありません。学校生活の条件は採用先の最新案内を参照してください。
大学卒業資格が必要な別の進路をどう考えるか
将来、警察官以外の職種へ転じる可能性も含めて考えるなら、応募先が求める学歴・経験・資格を確認しましょう。「高卒で警察官になったら転職はできない」「誰でも大学に進学すべき」と一律に決めつけることはできません。本人の希望、費用、得たい専門性により選択は異なります。
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Ⅲ類はⅠ類より合格しやすい?倍率で決められる?
「高卒程度の筆記試験だから簡単」「Ⅲ類の倍率は必ず高い」という結論は出せません。教養試験の出題水準、SPI3の方式、論(作)文の課題、募集人数、受験者数は試験回や年度で異なります。警視庁の令和8年度第1回通常試験・第2回は教養試験またはSPI3を申込時に選択し、第1回・前倒しⅠ類はSPI3と論文試験です。
倍率は募集結果に基づく過去実績で、次回の合格確率を保証するものではありません。自分が受験できる年度・区分を先に決め、警視庁の公式採用案内で採用予定数、試験方法、過去倍率を確認してください。令和5年度の各県警の数値を現在の出願判断にそのまま当てはめないでください。
昇任で高卒と大卒に固定の「年数差」はある?
昇任は、階級・勤務成績・制度に基づくもので、全国の警察官について「高卒と大卒の昇任年数は全国共通で固定」とは言えません。特定の制度の年数を異なる自治体・年度へ当てはめないようにしましょう。警視庁の現行説明は「給与・昇任制度」で確認できます。
また「巡査長」は法律上の独立した階級ではなく、巡査に付される呼称です。したがって「巡査長への昇任試験」を正式な階級の昇任試験と同列に並べて比較するのは誤りです。階級・呼称の違いは警察官の階級一覧で整理しています。
高卒で出願するときの確認手順
- 志望する警察本部の当該年度の受験資格・採用区分・試験回を確かめる。
- 自分の卒業見込み時期に出願できる回、申込期限、教養試験/SPI3の選択方式、論(作)文と二次試験の項目を確認する。
- 給与・初任教養・進学費用を、同じ年度の公式資料で比較する。出願条件に疑問があれば採用窓口へ問い合わせる。
令和8年度の警視庁では第1回Ⅲ類は高校既卒者等が対象で、令和9年3月の高校卒業見込み者は第2回のみ受験できます。また令和9年1月実施予定の前倒し試験はⅠ類の案内です。現行採用案内と令和9年度前倒し試験の案内を混同しないでください。
よくある質問
- 高卒で警察官になると必ず不利ですか?
-
一律に不利とは言えません。警視庁Ⅲ類とⅠ類では採用時月額と初任教養の期間に違いがありますが、早く働き始める選択や進学費用など、本人の状況によって評価は変わります。
- 高卒程度の試験は大卒程度より簡単で、合格しやすいですか?
-
出題水準は異なっても、試験回・年度・受験者数・募集人数が違うため、合格しやすさを一律には比較できません。受ける試験の募集案内と過去実績を確認してください。
- 高卒で警察官になると年収がずっと低いままですか?
-
採用時給与月額には区分差がありますが、以後の実収入は勤務年数、昇任、勤務や諸手当で変わります。採用時の差から生涯の年収差を断定できません。
- 高卒だと巡査長になれない、または昇任できないのですか?
-
巡査長は正式な独立階級ではなく巡査の呼称です。学歴のみで昇任の可否を断定できません。志望先の現行昇任制度を確認してください。
まとめ:自分の出願条件と将来設計で選ぶ
警視庁Ⅲ類は高卒程度の採用区分で、掲載例の給与月額は279,400円、警察学校の初任教養は10か月です。Ⅰ類は321,900円、初任教養6か月。大学進学の有無はこの数字だけで決めず、出願可能な試験回、費用、志望する仕事、将来の選択肢も含めて検討しましょう。
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