警察官の一次試験合格率は?警視庁の公表データと最終倍率の違い

【令和8年版】警視庁の一次試験攻略ガイド|試験内容や倍率、対策法を徹底解説

警察官の一次試験合格率に、全国共通の数値はありません。公表している県警の実数で計算すると、おおむね65〜98%と幅があり、自治体・年度・採用区分で異なります。特に警視庁の採用サイトにある「合格倍率」は、受験者数と最終合格者数に基づく表であり、一次試験の通過率ではありません。

例えば令和7年度の警視庁Ⅰ類・男性・教養試験方式は、受験者3,368人、最終合格者1,105人、合格倍率3.0倍です。ここから「一次通過率は約33%」とは計算できません。一次合格者数が分母・分子に必要だからです。

この記事では、一次試験の受験者数と合格者数を公表している12自治体の一次合格率を公式資料から計算して示したうえで、警視庁の公表値の正しい読み方と令和8年度の試験内容を確認し、根拠のない合格率やボーダーに頼らず準備する方法を解説します。警視庁の数値の出典は警視庁採用サイト(警察官Ⅰ・Ⅲ類)、各県警の出典は表の下にまとめています。

一次試験対策に不安がある方へ

今の実力と試験日から、優先すべき対策を整理します

教養・SPI3・論作文など、志望先の方式に合わせて学習の順番と不足分を確認します。

LINEで一次対策を相談する ▶

相談は無料です。まだ勉強を始めていなくても利用できます。

目次

一次試験の合格率と「最終合格倍率」は別の数字

一次試験の通過率を計算するには、一次合格者数 ÷ 一次試験受験者数 × 100が必要です。一方、採用案内の合格倍率は、受験者数と最終合格者数を使っています。両者を同じ数字として引用すると、受験難易度を誤認します。

  • 一次通過率:一次合格者数と一次受験者数が分かる場合に算出できます。
  • 最終合格倍率:受験者数 ÷ 最終合格者数。一次だけでなく二次試験の結果も含みます。
  • 志願倍率:申込者を分母にする場合があり、実受験者ベースとも異なります。

警視庁の場合、一次試験の合格発表で試験回・区分ごとの一次合格者数は確認できます(例:令和8年度第2回・男性Ⅰ類〔教養試験〕は293名。警視庁 合格発表PDF)。ただし、それに対応する試験回ごとの一次受験者数は採用サイトに掲載されていないため、一次合格率は計算できません。「70〜80%」といった数字は公式の根拠がない推測です。

一次合格率を公表している都道府県警の実績(12自治体)

全国共通の数字はありませんが、一次試験の受験者数と合格者数の両方を公式に公表している県警はあります。ここでは12の自治体について、大卒程度(A区分・Ⅰ類)の男性区分を例に、公表された実数から「一次合格者数÷一次受験者数」を計算しました。

自治体・年度・区分一次受験者一次合格者一次合格率
神奈川県警
令和8年度第1回・警察官A(男性)
607人574人94.6%
埼玉県警
令和8年度第1回・Ⅰ類(男性)教養試験枠
578人527人91.2%
千葉県警
令和7年度第1回・警察官A(男性)教養試験方式
352人317人90.1%
愛知県警
2026年度第1回・警察官A 一般(教養)男性
378人358人94.7%
兵庫県警
令和7年度第1回・男性A
641人526人82.1%
福岡県警
令和8年度第1回・警察官A(男性)
391人255人65.2%
静岡県警
令和7年度第1回・警察官A 一般(男性)
147人139人94.6%
茨城県警
令和8年度第1回(一般)・男性警察官A
137人112人81.8%
広島県警
令和7年度第1回・警察官A(男性)
185人168人90.8%
新潟県警
令和7年度第1回・男性警察官A
101人99人98.0%
三重県警
令和8年度1回目・警察官A(男性)
89人82人92.1%
長野県警
令和8年度第1回・警察官A 一般(男性)
78人64人82.1%
各警察本部・人事委員会の公表値(下記出典)から当塾が算出。小数第2位を四捨五入。確認日:2026年9月21日。

12自治体の一次合格率はおよそ65〜98%でした。多くの県警で8〜9割が一次を通過しており、「筆記で大きく絞り、面接は確認だけ」という試験ではないことが分かります。

一方で、最終倍率を見ると景色が変わります。たとえば神奈川県警の上記区分は、一次合格率が94.6%なのに対し、最終合格者は249人、公表倍率は2.4倍です。一次を通った574人のうち、最終合格に届いたのは半分以下という計算です(二次試験の辞退者を含みます)。一次合格率が高い県ほど、勝負どころは二次試験にあると考えてください。

この表を読むときの3つの注意

  • 一次試験の中身が県によって違います。福岡県警は一次試験が2日制で、筆記の基準を満たした人だけが2日目の人物試験に進みます。一次合格率が65.2%と低めなのはこのためで、筆記の難しさだけを表す数字ではありません。
  • 年度・回・区分で数字は動きます。同じ神奈川県警・警察官A(男性)でも、令和7年度第2回は受験者193人・一次合格者176人(91.2%)でした。女性区分や高卒程度の区分、SPI方式の枠は別の数字になります。
  • 他県の数字を警視庁に当てはめないでください。試験科目も受験者層も違います。志望先を決める材料にするなら、一次合格率だけでなく最終倍率も合わせて見ましょう。

出典(各自治体の公式公表資料)

大阪府警は受験申込者・一次受験者・最終合格者の3項目を公表していますが、一次合格者数の項目がないため表に含めていません(大阪府警察 公式ページ)。表にない自治体は、今回の調査で一次合格者数の公表を確認できなかったか、未調査の自治体です。

比較:一次合格率と「最終合格倍率」はこれだけ違う(令和7年度・警視庁)

下表は警視庁公式の令和7年度合格倍率から、教養試験方式を抜粋したものです。いずれも最終合格までの倍率であり、一次試験だけの数値ではありません。

ここで倍率を取り上げるのは、一次合格率と混同されやすいためです。年度別・区分別の倍率そのもの(最新の発表状況、過去3年の推移、SPI3方式との差)は、倍率を主題にした次の記事にまとめています。

令和7年度・教養方式受験者数最終合格者数最終合格倍率
Ⅰ類・男性3,368人1,105人3.0倍
Ⅰ類・女性1,278人474人2.7倍
Ⅲ類・男性2,159人642人3.4倍
Ⅲ類・女性813人238人3.4倍

同じⅠ類でも、教養試験方式とSPI3方式、男女、年度で数字が変わります。比較する際は「いつ・どの区分・どの方式・一次か最終か」をそろえてください。令和8年度の最終合格結果と混同しないよう、表に年度を明示しています。

令和8年度・警視庁一次試験で確認すべき科目

警視庁の令和8年度採用案内では、通常の第1回・第2回は申込時に教養試験またはSPI3を選び、論(作)文試験等も受けます。第1回・前倒しはSPI3と論文試験です。

  • 教養試験:五肢択一30題・1時間10分。文章理解、判断推理、数的処理、資料解釈、図形判断、社会科学、国語・英語、時事など。
  • SPI3:Ⅰ類70題・1時間10分、Ⅲ類90〜95題・1時間10分と案内されています。
  • 論(作)文:1題・1時間。Ⅰ類は論文、Ⅲ類は作文です。
  • そのほか:資格経歴等の評定、適性検査。二次では面接・身体・体力検査等があります。

令和9年度(2027年度)の第1回・前倒しⅠ類は、2027年1月10日に第一次試験を予定し、SPI3と論文(1題・1時間)を課すと警視庁が公表しています。その他の試験回・自治体まで同じ条件とみなさず、志望先の最新案内で確認してください。

一次試験の「合格ライン」は公表値から決めつけない

警視庁の案内には、教養・SPI3・論作文について、誰でも合格するといえる一律の正答率や足切り点は示されていません。「5割なら合格」「6割なら安全圏」といった線引きを公式基準として示すことはできません。

模試の点数は学習計画を作る材料に使いましょう。設問別の正答と時間配分を確認し、論作文は実際の警視庁公式問題例を見て60分以内に書く練習をします。公開されない基準を当てにするより、取りこぼしを減らす方が再現性があります。

試験方式に合わせた3つの対策

1.教養方式なら「30題・70分」で時間を計る

警視庁の令和8年度教養試験は30題・1時間10分です。数的処理と文章理解は繰り返し演習し、社会科学や時事を含む他分野も試験範囲から外さないでください。特定の2科目だけで全体の半分を確実に取れる、といった保証はありません。

2.SPI3方式は方式・類別を確認して練習する

Ⅰ類とⅢ類では出題数が異なります。公式の方式を確かめ、時間を区切って問題を解きましょう。SPI3方式を選ぶことで必ず合格しやすくなるわけではなく、受験する区分と自分の得意分野で判断します。

3.論作文は型を使い、設問ごとの答えを作る

結論→理由→自分の経験・行動→警察官の仕事への活かし方を、問題の指示に合わせて組み立てます。丸暗記した文章をそのまま当てはめず、警視庁の論文・作文試験ガイドで公式問題例と60分の書き方を確認してください。

以下の動画は警志塾による2026年度第2回試験の分析とボーダー予想です。動画内の予想は警視庁が公表した合格点ではありません。

▶ 動画「【警視庁Ⅰ類】2026年度第2回1次試験 30問の全容判明|出題分析とボーダー予想」で分かること

  • 2026年度第2回一次試験(30問)の出題分析
  • 科目別の難易度と狙われた分野
  • ボーダー(合格ライン)の予想と今後の対策

警志塾YouTubeより。警視庁の元職員が解説しています。

よくある質問

警察官の一次試験の合格率はどのくらいですか?

全国共通の数字はありません。一次受験者数と一次合格者数を公表している12自治体(大卒程度・男性区分の例)で計算すると、約65〜98%でした。年度・試験回・区分で変わるため、志望先の公式の実施結果で確認してください。

警視庁の一次試験合格率は何%ですか?

計算できません。警視庁採用サイトの「合格倍率」は受験者数と最終合格者数による年度単位の数字で、試験回ごとの一次受験者数は掲載されていないためです。

最終合格倍率3倍なら、一次試験は3人に1人しか受からない?

いいえ。最終合格倍率には一次と二次の結果が含まれます。一次通過率を出すには一次受験者数と一次合格者数が必要です。

一次合格率が高い県は受かりやすいですか?

一次合格率が高くても、最終倍率が低いとは限りません。神奈川県警の令和8年度第1回・警察官A(男性)は一次合格率94.6%ですが、最終倍率は2.4倍です。二次試験で差がつくため、面接・体力検査の準備が欠かせません。

教養試験は何割取れば合格できますか?

一律の合格ボーダーは警視庁の公開案内に示されていません。自分の模試結果から苦手分野を見つけ、方式に合わせて演習してください。

2027年度の第1回・前倒しⅠ類は教養試験を受ける?

警視庁の発表では、2027年1月10日の前倒しⅠ類の筆記はSPI3と論文です。申込期間・受験資格・変更の有無は公式案内をご確認ください。

まとめ:割合よりも、受験する区分と方式を先に確認

一次合格率は、公表している県警の実数で見ると65〜98%と幅があります。多くの県で一次は8〜9割が通過し、差がつくのは二次試験です。警視庁の公開表は最終倍率で、一次の通過率とは別の数字です。志望先の試験案内を確認し、教養またはSPI3、論作文を実際の時間で練習しましょう。

具体的な科目別対策は警視庁一次試験の攻略ガイド、論作文の手順は公式問題例を使った論作文ガイドをご覧ください。自分の学習の優先順が分からない場合は、下の公式LINEから相談できます。

▼あわせて読みたい関連記事

制度・数値の確認日:警視庁は2026年9月20日、各県警の実施結果は2026年9月21日。試験日程と内容は変更される場合があります。最終判断は警視庁・各都道府県警察の当該年度の採用案内を優先してください。

安齋 海社(警志塾 講師/元警視庁警察官)

この記事の監修者

安齋 海社警志塾 講師/元警視庁警察官

2015年に警視庁警察学校へ入校し、卒業後は三田警察署に配属。2018年から警視庁警備部機動隊に所属し、2020年に退職。現在は警視庁採用試験に特化したオンライン予備校「警志塾」で、面接対策を中心に受験指導を行っています。記事は警視庁・警察庁の公式発表をもとに作成し、制度変更にあわせて更新しています。

講師紹介を見る運営会社

一次試験を突破する準備を具体化

公表資料を確認したら、次は自分の対策を整理しませんか?

受験時期・試験方式・現在地に合わせ、無理のない学習計画を一緒に整理します。

LINEを追加して無料合格診断を申し込む ▶

LINE追加後、トーク画面から無料合格診断を希望する旨をお送りください。その場で入塾を決める必要はありません。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次