警察官の年収・給料はいくら?警視庁の公式給与例と平均の見方【2026年】

警察官の年収・給料はなぜ高い?ジャンル別の平均年収や年収を上げる方法を警視庁OBが解説

警察官の年収は、採用先・採用区分・勤務年数・勤務地・手当で変わります。「全国平均は一律700万円」とは断定できません。警視庁の2026年1月1日時点の公式モデルでは、実務2年目の年収例はⅠ類657万4,400円、Ⅲ類604万5,700円。これは警視庁のモデルケースであり、全国の警察官の平均年収でも、採用された人全員の保証額でもありません。

この記事では、元警視庁警察官の経験と公的資料を分けて、初任給・賞与・手当・昇任・退職金を説明します。総務省の令和7年統計から、警察官の平均給与・経験年数別の給料・都道府県差も原表の数字で示します。数値の前提を確認したうえで、自分の受験先の最新採用情報と比較してください。最終確認:2026年9月20日。

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目次

警察官の年収はいくら?警視庁の公式モデル

まずは出典と対象が明確な警視庁の公表値を見ましょう。いずれも2026年1月1日時点の警察官モデルで、Ⅰ類・Ⅲ類は採用区分です。

警視庁警察官Ⅰ類採用Ⅲ類採用
初任給(月額)321,900円279,400円
年収例(実務2年目)6,574,400円6,045,700円
出典:警視庁「給与・昇任制度」(令和8年1月1日現在)。初任給には地域手当20%を含み、年収例には給料月額・地域手当・期末勤勉手当等を含む。

初任給は基本給そのものではなく、給料月額に地域手当20%を加えた公表額です。職歴等による加算が生じる場合があり、扶養・住居・通勤などの手当は要件次第で別途支給されます。年収例の「実務2年目」は新卒1年目の年収とは異なります。制度改定や個別の勤務条件でも変わるため、受験時は公式の最新表示を確認してください。

警視庁だけの給与を詳しく比較したい方は、警視庁の給料・年収の解説へ。この記事では全国平均と個別モデルを混同しないための読み方を中心に説明します。

「全国平均年収700万円」をそのまま使えない理由

「全国平均約700万円」や年齢・性別・学歴別の年収として出回っている数字には、総務省の平均給与月額に賞与月数を掛け合わせた独自推計があります。元データが示す月額と、年間の実支給額は別の統計です。この計算から「警察官の公式平均年収」を導くことはできません。なお、賞与を月数で推計せず、統計に載っている期末・勤勉手当の実績額を足した当サイトの試算は、次の章で示します(令和7年調査ベースで約779万円。時間外勤務手当などを含む、平均年齢39.4歳の数字です)。

特に、手当を含む平均給与月額を12倍し、さらに同じ月額全体へ賞与月数を掛けると、賞与の算定基礎が異なる手当まで上乗せするおそれがあります。年度・職種・給与項目を揃えずに民間平均や消防職と比較しても、厳密な順位にはなりません。総務省の地方公務員給与実態調査を参照する際は、表題が「平均給与月額」か「年収」かをまず確認しましょう。

「年齢別」「男女別」「学歴別」の数字は、そのまま個人の将来年収を保証しません。構成員の年齢や勤続年数、勤務・扶養条件も違います。男女の数字の差を出産・育児による昇進機会の差と結びつける説明も、この統計からは裏づけられません。

総務省統計で見る警察官の平均給与【令和7年】

では、公式統計には何が載っているのか。原表をそのまま見ていきましょう。総務省「令和7年地方公務員給与実態調査」には、都道府県警察の警察官(統計上の職種名は「警察職」)の平均額が掲載されています。月額は令和7年4月分、期末・勤勉手当は令和6年度の支給年額です。

項目(警察職・全国)令和7年調査の値
職員数258,616人
平均年齢39.4歳
平均給料月額(基本給)345,913円
諸手当月額(時間外・地域・扶養など)148,600円
平均給与月額(給料+諸手当)494,513円
期末・勤勉手当(支給職員1人当たり年額)1,855,952円
出典:総務省「令和7年地方公務員給与実態調査」 第5表「職種別職員の平均給与額」1 団体区分別(全地方公共団体・警察職)、平均年齢は同調査「調査結果の概要」表-11。2026年9月21日に原表を取得して確認。

この統計は「年収」を公表していません。そこで、月額と年額の部品を足し合わせた参考値を出します。

【当サイト試算】平均給与月額494,513円×12か月+期末・勤勉手当1,855,952円=7,790,108円(約779万円)

読み方には注意が3つあります。第一に、月額は4月の1か月分で、時間外勤務手当(平均57,838円)を含みます。繁忙の度合いで月ごとに動く数字です。第二に、期末・勤勉手当は前年度の実績で、月額とは時点がずれています。第三に、平均年齢39.4歳・管理職を含む全警察官の平均であり、20代の年収でも、あなたの将来の保証額でもありません。「警察官の平均年収は約○○万円」と言い切る記事を見たら、この3点を確かめてください。ネット上の「約700万円」と一致しないのは、元にした調査年度や、賞与・手当の扱いが違うためと考えられます。どちらも総務省が公表した「平均年収」ではありません。

経験年数別・学歴別の平均給料月額

年代別の年収は、統計に警察職の表がありません。代わりに使えるのが経験年数別・学歴別の平均給料月額です。手当と賞与を含まない基本給の平均なので、実際の月収はこれに地域手当や時間外勤務手当などが加わります。

経験年数大学卒高校卒学歴計
1年未満257,614円228,172円245,290円
5年以上7年未満284,703円267,084円277,145円
10年以上15年未満319,094円296,896円311,048円
15年以上20年未満358,921円328,364円348,584円
20年以上25年未満395,348円368,541円386,052円
25年以上30年未満419,053円401,525円410,437円
30年以上35年未満427,628円417,220円420,380円
全体平均348,722円343,342円345,913円
出典:総務省「令和7年地方公務員給与実態調査」 第6表「職種別,経験年数別,学歴別職員数及び平均給料月額」1 団体区分別(都道府県・警察職)。給料月額のみで、手当・賞与は含まない。学歴計には短大卒・中学卒を含む。

採用直後は大学卒と高校卒で約3万円の差がありますが、経験30年を超えると差は約1万円まで縮まります。この統計で見るかぎり、平均給料の差は学歴よりも経験年数のほうに大きく表れています。高校卒の全区分と年齢の目安は高卒警察官の年収・給料の記事にまとめました。

都道府県別の基本給(上位と下位)

勤務地による差も統計で確認できます。下の表は、給料に扶養手当と地域手当を加えた「平均基本給月額」です。差を生んでいるのは、ほぼ地域手当です。

都道府県給料地域手当基本給月額
東京都(警視庁)340,500円71,100円423,757円
大阪府349,000円43,100円406,731円
愛知県358,100円31,800円403,780円
神奈川県344,800円44,800円403,213円
埼玉県354,400円31,500円398,075円
秋田県337,000円217円347,944円
青森県324,600円170円335,720円
出典:総務省「令和7年地方公務員給与実態調査」 第5表「職種別職員の平均基本給月額」2 都道府県別(警察職)。基本給月額=給料+扶養手当+地域手当。上位5都府県と下位2県を抜粋。時間外勤務手当などは含まない。

給料そのものは全国でほぼ横並びです。警視庁の平均基本給が全国で最も高いのは、地域手当20%が効いているためです。ただし家賃や物価も違います。額面だけで「得な県」を決めないでください。

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給与を左右する4つの要素

1. 採用先と地域手当

都道府県警察の警察官は、原則として各都道府県の給与条例・給料表に基づきます。たとえば東京都では東京都人事委員会規則第3条が警視庁警察官への公安職給料表の適用を定めています。地方警察官の給料が全国一律に定められているわけではありません。東京の公式初任給に含まれる地域手当は20%ですが、その額だけで地域間の手取りや生活費を比較することはできません。

2. 勤務年数・昇任と階級

警視庁は勤務成績・年数による昇給、昇任による昇給を案内しています。昇任は性別や学歴に関係なく競争試験・選考によって決まると説明しており、受験区分だけで生涯年収や昇任を保証するものではありません。警察法上の正式な階級は9階級で、巡査長は独立した階級ではありません。詳しくは警察官の階級と昇任の解説をご覧ください。

3. 賞与と各種手当

警視庁の公式年収例には期末・勤勉手当(年間おおむね4.90か月分)等が含まれています。ただし「月収すべて×4.90か月」ではなく、支給額は算定基礎と個々の条件で決まります。扶養・住居・通勤などの手当は要件を満たす場合に支給され、勤務によって生じる手当も一律ではありません。警視庁公式の注記を確認してください。

4. 職歴・働き方と個人差

学校卒業後の職歴がある人は、一定の基準で給与に加算される場合があります。一方、勤務先・配置・働き方・手当の支給要件が異なれば、同じ採用区分でも年収は同じとは限りません。社会人からの転職を検討している方は職歴加算と転職時の給与も参考にし、具体額は採用元へ確認しましょう。

警察官のボーナス(期末・勤勉手当)はいくら?

警視庁は、期末・勤勉手当を年間おおむね4.90か月分と案内しています(警視庁「給与・昇任制度」)。支給は6月と12月の年2回が基本で、在職期間と勤務成績に応じて決まります。

警察職・全国平均(令和6年度支給)1人当たり年額
期末手当996,947円
勤勉手当859,005円
合計1,855,952円
出典:総務省「令和7年地方公務員給与実態調査」 第5表「職種別職員の平均給与額」1 団体区分別(警察職)。支給職員1人当たりの年額。

全国平均では年間約186万円です。これは平均年齢39.4歳の数字で、採用1年目は在職期間が短いため満額になりません。月数は人事委員会勧告を受けて毎年見直されます。受験先の最新の月数は、各都道府県警察の採用案内で確認してください。

警察官の退職金(退職手当)はいくら?

退職金も同じ統計に実績が載っています。令和6年度中(令和6年4月1日~令和7年3月31日)に退職手当を受けた警察官の集計です。

退職の区分(警察官・全国)支給人員1人当たり平均
勤続25年以上の定年退職3,854人約2,221万円
自己都合退職2,593人約362万円
退職手当を受けた人の全体7,644人約1,592万円
出典:総務省「令和7年地方公務員給与実態調査」 第9表の1「団体区分別,職員区分別,退職事由別,年齢別退職者数及び退職手当額」(全地方公共団体・警察官)。1人当たり平均は手当総額÷支給人員による当サイト算出(定年退職:85,596,630千円÷3,854人)。全体平均は同調査「調査結果の概要」の公表値1,591万5,000円と一致。

定年まで勤め上げた警察官の退職手当は、平均で約2,200万円です。一方、自己都合退職は若い年齢層が中心で、平均は約360万円にとどまります。退職手当は退職時の給料月額と勤続年数、退職理由で決まるため、途中で辞めるか定年まで勤めるかで金額はまったく変わります。制度は条例で改正されることがあり、この実績が将来の支給額を約束するものではありません。

警察庁採用と都道府県警察の給与は同じ?

同じ「警察」に関わる仕事でも、警察庁採用(国家公務員)と都道府県警察の採用は、任用・給与制度や職務が同一ではありません。国家公務員の俸給表の平均から「警察庁の平均年収630万円」と読み替えることもできません。志望先の採用案内・給与の適用条件を分けて確認してください。警察庁の採用情報、警視庁の採用情報。

よくある質問

警察官の平均年収は全国一律で約700万円ですか?

いいえ。「約700万円」は平均給与月額と賞与を組み合わせた独自推計として出回っている数字で、公式の全国平均年収ではありません。総務省の令和7年統計の実額を足した当サイト試算は約779万円(時間外勤務手当などを含む・平均年齢39.4歳)ですが、これも公式の平均年収ではありません。採用先の給与モデルと統計の定義を分けて確認してください。

警視庁警察官の初任給はいくらですか?

警視庁が2026年1月1日時点で示す初任給はⅠ類321,900円、Ⅲ類279,400円です。地域手当20%を含む月額で、職歴等による加算や改定の可能性があります。

警察官のボーナスは何か月分ですか?

警視庁の2026年1月時点の公式年収例は、期末・勤勉手当を年間おおむね4.90か月分として含みます。すべての手当込み月収に4.90を掛ける計算ではありません。

大卒や男性のほうが必ず高い年収になりますか?

いいえ。初任給の採用区分や個人の勤務条件、昇任等が関係します。警視庁は昇任を性別・学歴に関係のない競争試験・選考で決めると案内しています。

警察官の退職金はいくらですか?

総務省の令和7年地方公務員給与実態調査では、令和6年度に勤続25年以上で定年退職した警察官3,854人の退職手当は、1人当たり平均約2,221万円(手当総額÷人員の当サイト算出)です。自己都合退職の平均は約362万円で、退職理由と勤続年数で大きく変わります。

公式統計で警察官の平均給与月額はいくらですか?

同調査の警察職(全国・平均年齢39.4歳)は、平均給料月額345,913円、諸手当を含む平均給与月額494,513円、期末・勤勉手当は年額1,855,952円です。年収そのものは公表されておらず、当サイト試算では月額×12+期末・勤勉手当で約779万円になります。

まとめ|年収の数字は採用先・年度・条件をセットで確認

警察官の給料を調べるときは、「全国平均」と各採用先のモデルを混ぜないことが重要です。警視庁の実務2年目モデルはⅠ類657万4,400円・Ⅲ類604万5,700円(2026年1月現在)ですが、個人の保証額ではありません。総務省統計の警察職平均は、給与月額494,513円・期末勤勉手当1,855,952円(平均年齢39.4歳)、勤続25年以上の定年退職手当は平均約2,221万円です。採用先の最新の給与案内と、手当・職歴加算・昇任の条件を確かめたうえで進路を検討しましょう。

警視庁を志望する方は、警察官になるまでの流れと警視庁の給与の詳細もご覧ください。試験準備の優先順位を整理したい場合は、下の公式LINEから警志塾の無料案内を確認できます。

主な一次出典

安齋 海社(警志塾 講師/元警視庁警察官)

この記事の監修者

安齋 海社警志塾 講師/元警視庁警察官

2015年に警視庁警察学校へ入校し、卒業後は三田警察署に配属。2018年から警視庁警備部機動隊に所属し、2020年に退職。現在は警視庁採用試験に特化したオンライン予備校「警志塾」で、面接対策を中心に受験指導を行っています。記事は警視庁・警察庁の公式発表をもとに作成し、制度変更にあわせて更新しています。

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