警察学校とは、都道府県警察に採用された警察官が、基礎を学ぶために入校する教育機関です。
学費はかからず、警視庁の初任教養はⅠ類6か月・Ⅲ類10か月。
入るには採用試験に合格したうえで採用される必要があり、年齢は受験資格に準じます。
この記事では、警察学校で学ぶ内容と種類、入校までの流れ、入る前にやっておくべき準備を警視庁OBが解説します。
警察学校は不安に思われがちですが、生活も訓練もきちんとルール化されています。順番に見ていきましょう。
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警察官になるまでの全体像(受験資格・試験内容・日程・勉強法)は、こちらのハブ記事にまとめています。

警察学校とは?
警察学校とは、警察官を育成するための職業訓練学校のことです。
学校という名前が付いていますが、高校や大学とは仕組みが大きく異なります。
運営しているのは都道府県警察で、入校は職務の一環として扱われます。
通常の警察官と同じように、給料やボーナスも支給される。
- 運営元:都道府県警察
- 身分:職務の一環(給与・ボーナスあり)
- 入校対象:都道府県警察に採用された新任警察官
都道府県警察に採用された警察官は、各警察の警察学校で初任教養を受けます。
警視庁では初任教養がⅠ類6か月・Ⅲ類10か月で、卒業後は現場実習へ進みます。期間や進み方は採用先・採用年度で確認してください。
入校できる年齢は採用試験の受験資格で決まります。
警視庁の令和8年度採用試験では、Ⅰ類・Ⅲ類とも平成3年4月2日以降に生まれた人が対象です。
警察学校で学ぶ内容
警察学校で学ぶ内容は、大きく分けて一般教養・法学・警察実務・術科の4分野です。
現場実習まで組み込まれているので、座学だけで終わらないのが警察学校の特徴です。
警視庁の公式案内では、一般教養・法学に共通科目があり、警察実務や拳銃操法などは警察官向けの教養として示されています。
同じ警察学校でも警察官と警察行政職員で学ぶ内容は異なり、術科には種目の選択肢もあります。
また、警察学校の座学だけでなく、一定期間は実際に警察署で働く実務修習も組み込まれています。
現場で働く経験を積むことで、配属後の働くイメージを持ちやすくなるでしょう。
警察学校の期間は何年?何か月?
警視庁の令和8年度採用案内では、警察学校での初任教養はⅠ類6か月・Ⅲ類10か月です。
警視庁ではⅠ類(大学卒業程度)が6か月、Ⅲ類(高校卒業程度)が10か月です。
高卒区分の方が長く、大卒区分の方が短い設定になっています。
※2026年9月20日時点の公式情報による「初任科・初任教養」の例です。出典:警視庁、長野県警、埼玉県警、富山県警。現場実習や初任補修科は含みません。採用先・年度ごとに変更されるため、志望先の最新案内を確認してください。
採用年度で期間が変わる例もあります。千葉県警の採用Q&Aは、令和9年4月採用のB区分から初任科を10か月から8.5か月に短縮すると案内しています。
表の数値を全国共通のルールとして扱わず、受験する採用先と採用年度で確認してください。
詳細が公表されていない場合は、採用担当部署に確認すると確実です。
警察学校は何歳から入れる?
警察学校に入る年齢は、警察官採用試験の受験資格と同じです。
警視庁の令和8年度採用試験では、Ⅰ類(大学卒業程度)・Ⅲ類(高校卒業程度)とも平成3年4月2日以降に生まれた人を対象とする資格区分があります。
Ⅲ類の高校卒業見込み者は第2回試験のみ受験でき、採用・入校時には18歳程度になります。学力要件と試験回ごとの条件もあわせて確認してください。
年齢の上限は都道府県警察ごとに異なり、社会人採用では別枠の年齢要件があります。
希望先の採用サイトで最新の要件を確認しましょう。
警察学校の1日のスケジュール
警察学校では1日の中で座学や術科など、さまざまな指導が行われます。
生活をイメージしやすくするために、スケジュール例を紹介します(警視庁の場合)。
下表は警視庁が公表する警察学校の「1日の例」です。授業内容や生活時間は日によって異なります。
警視庁の例では17:15に授業が終わり、18:00以降に自主トレーニング・自習・自由時間などが設けられています。
休日や授業日の運用は学校・期によって異なります。個別の予定は入校先の案内を確認してください。
外出・外泊は学校ごとの規則や時期によります。たとえば長野県警の公式Q&Aでは休前日夜から休日最終日夜までを原則と説明していますが、警視庁でも同じとは限りません。
警視庁の公表例は23:00消灯です。生活ルールや外泊・スマートフォンの扱いは、入校先の案内で確認しましょう。
警察学校の共同生活・訓練の厳しさや「厳しい県ランキング」の根拠が気になる方は、警察学校の厳しさの検証記事で、警視庁の公表内容とOBの体験談を分けて確認できます。
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警察学校で学費は必要?
警察学校で学ぶために学費は必要ありません。
警察学校は警察官としての職業訓練学校であり、仕事の一環として学ぶ場所だからです。
ただし、教材費など自己負担が生じる場合があります。長野県警は教科書・参考書の個人購入を案内しています。食費を含む具体的な費用は採用先に確認してください。
食費などの扱いは採用先で異なるため、入校案内で支払方法と必要額を確認してください。
入校中に校内で飲食物を購入する場合は現金が必要になるため、最低限の現金は持参しておくのがおすすめです。
持参する現金の額は、入校先からの案内に従って判断しましょう。
警察学校の期間中も、通常の警察官と同じ給与体系が適用されます。
参考までに、警視庁の令和8年度採用サイトによると初任給(地域手当込み)はⅠ類(大学卒業程度)で321,900円です。
Ⅲ類(高校卒業程度)では279,400円とされています。
採用区分によって、初任給には数万円ほどの差があります。
また、警志塾の講座では、警察官には交番勤務など現場での職務に伴う危険手当が付く点も紹介しています。
給与の詳細は都道府県や採用区分によって異なるため、希望先の公式サイトで確認しておきましょう。
学費ゼロで給料をもらいながら学べるのは、警察学校ならではの大きなメリットです。
警察学校の種類
警察学校は、警察官としての基礎訓練を受けるものだけではありません。
大きく分けると、以下の3つに分けられます。
参考:警察庁:警察白書(第7章 警察活動の支え)、警察大学校について
これから警察官を目指す方は、各都道府県の警察学校について理解していれば十分です。
管区警察学校や警察大学校については、実際に警察官として働くなかで自然と分かるようになります。
まずは自分が受ける都道府県の警察学校がどんな場所かを押さえれば十分です。
警察学校に入る方法
警察学校に入るには、警察官採用試験に合格し、採用される必要があります。
警察官採用試験は、警察官として働く基礎能力があるかを判断するための試験で、各都道府県が実施しています。
受験する前に、以下の2点を確認しておきましょう。
- 警察官採用試験の受験資格
- 警察官採用試験の概要
警察官採用試験の受験資格(警視庁の場合)
次のいずれかに該当する人は受験できません。
日本の国籍を有しない人。
拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで、または執行を受けることがなくなるまでの人。
懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から2年を経過しない人(東京都職員の場合)。
日本国憲法またはその下で成立した政府を暴力で破壊することを主張する団体を結成・加入した人。
年齢要件を満たしていても、これらに該当する場合は受験できないため、事前によく確認してください。
受験資格は都道府県によっても異なるため、必ず自分の希望先で確認しておきましょう。
年齢要件だけでなく欠格事由もあるので、早めに希望先の公式サイトで確認しておきましょう。
警察官採用試験の概要(警視庁の場合)
第1次試験に合格すると、第2次試験で面接や体力検査などを受けます。警視庁では最終合格後、受験資格の確認や意向聴取などを経て採用者が決まります。
試験の内容や形式は都道府県によって異なるため注意が必要です。
面接試験1つを取っても、個人面接か集団面接かなど違いがあります。
事前に希望先の公式サイトで確認しておくことが大切です。
受験資格も試験内容も都道府県ごとに違うので、必ず希望先の最新情報を確認しておきましょう。
高校生・大学生・社会人、それぞれに
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警察学校に入るまでにやっておくべきこと
警察学校に入るまでにやっておくべきことは、主に以下の3つです。
- 警察官として役立つ資格取得
- 訓練を耐え抜く身体作り
- 各警察学校で指示された内容の対策
これらを事前にやっておくと、警察学校に入ってからの座学や訓練に集中しやすくなります。
早く一人前の警察官になりたい方は、しっかり準備しておきましょう。
警察官として役立つ資格取得
警察学校に入るまでの時間で、警察官として役立つ資格を取得しておくのがおすすめです。
代表的なものは、TOEIC470点以上、実用英語技能検定2級以上、ITパスポート、日商簿記3級・2級の4つです。
上記以外にも、語学資格やIT関連資格はさまざまな場面で役立ちます。
入校後は警察学校で学ぶ内容だけで手一杯になりやすいため、取得できる資格は事前に取っておくとよいでしょう。
取得できなくても問題はありませんが、取得できるに越したことはありません。
訓練を耐え抜く身体作り
警察学校に入るまでの期間で、訓練を耐え抜く身体作りをしておくのもおすすめです。
具体的には、懸垂・腕立て伏せ・腹筋・ランニングといったトレーニングを積んでおきましょう。
訓練には体力を使う科目もあるため、無理のない範囲で体力づくりと体調管理をしておくと安心です。
体力に余裕があれば訓練内容にも集中しやすく、より濃い訓練ができるはずです。
各警察学校で指示された内容の対策
警察学校に入るまでの期間で、各警察学校から指示された内容の対策もしておきましょう。
警察学校によっては、入校までに暗記が必要なものがあります。
例えば「警察法2条」や「警察職員の職務倫理及び服務に関する規則」は、警察官として働くうえで理解が欠かせない法律です。
こうした法律は事前の暗記を求められることもあるため、都道府県ごとの指示内容は必ず対策しておきましょう。
どんな内容を指示されるかは、警察学校によって異なります。
資格取得・体力作り・暗記対策は、入校前の時間があるうちに少しずつ進めておくのがおすすめです。
警察学校に関するよくある質問
- 警察学校は何歳から入れますか?
-
採用試験に合格し、採用された人が入校します。警視庁の令和8年度はⅠ類・Ⅲ類とも平成3年4月2日以降生まれの人を対象とする資格区分があり、Ⅲ類の高校卒業見込み者は第2回のみ受験できます。
- 警察学校の期間は何年ですか?
-
何年もかかりません。警視庁ではⅠ類(大卒程度)が6か月、Ⅲ類(高卒程度)が10か月です。期間は採用先・採用年度で異なります。
- 警察学校に学費はかかりますか?
-
かかりません。入校は職務の一環で、在校中も給料が支給されます。教科書・参考書代など個人負担が生じる場合があります。費用の範囲は入校先で確認してください。
- 警察学校で給料はもらえますか?
-
もらえます。警視庁の場合、初任給はⅠ類321,900円、Ⅲ類279,400円(令和8年度採用サイト)で、入校中から支給されます。
- 警察学校から外出や外泊はできますか?
-
全寮制ですが、外出・外泊の可否や条件は学校・時期で異なります。長野県警の公式Q&Aでは休前日夜から休日最終日夜までを原則と説明しています。志望先の入校案内を確認してください。
- 寮生活でスマホは使用できますか?
-
スマートフォンの使用ルールは入校先で確認してください。たとえば長野県警の公式Q&Aでは、平日の授業・自習時間などの日課時限内は原則使用できず、それ以外は規則に従って使用できると説明しています。
- 男女で警察学校は違うんですか?
-
男女とも警察学校で基礎を学びます。警視庁の案内では柔道・剣道から選択でき、女性は合気道も選択肢に含まれます。生活設備や運用は入校先の案内を確認してください。
- 運動部に所属していなかったのですが大丈夫ですか?
-
はい、十分にあり得ます。警察学校では座学や実務だけでなく体力錬成も行われます。訓練を重ねるうちに自然と体力や筋力が身に付くため、過度に心配する必要はありません。
気になる疑問はできるだけ解消してから、安心して入校日を迎えましょう。
まとめ
警察学校は、都道府県警察に採用された警察官が、基礎を学ぶために入校する教育機関です。
学費は原則かからず、警視庁の初任教養はⅠ類6か月・Ⅲ類10か月です。採用先や年度によって期間は変わります。
学ぶ内容や1日のスケジュール、入るまでにやっておくべき準備も紹介してきました。
それでも、入校前に少しでも不安を減らしておきたい方は多いのではないでしょうか?
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