令和8年度・令和9年度前倒しの警視庁警察官採用試験を警視庁OBが解説

警視庁の警察官になる方法アイキャッチ

警視庁は、東京都を管轄する都道府県警察です。警視庁警察官になるには、採用試験の最終合格後、受験資格の確認や意向聴取などの採用手続きを経て、警視庁巡査として採用されます。

2026年9月16日時点では、令和9年度Ⅰ類「第1回・前倒し」の申込期間は2026年11月2日(月)午前9時から11月27日(金)午後5時まで、第1次試験は2027年1月10日(日)と公表されています。令和9年度通常回は第1次試験が2027年3月頃と案内されていますが、詳細日程・募集要項はまだ公表されていないため、この記事では、公表済みの令和9年度前倒し試験と令和8年度の通常試験を分けて解説します。

この記事の対象:警視庁警察官Ⅰ類・Ⅲ類/令和8年度・令和9年度前倒し
情報確認日:2026年9月16日
確認した一次情報:令和9年度の警察官採用試験について(警視庁)・令和8年度 警察官(Ⅰ・Ⅲ類)(警視庁)・採用FAQ(警視庁)

日程や試験方法は変更される場合があります。実際に申し込むときは、必ず警視庁の最新案内を最終確認してください。

警視庁を受験する方へ

受験区分・試験方式・準備期間を一緒に整理します

Ⅰ類・Ⅲ類、教養試験・SPI3など、迷っている点を公式LINEで質問できます(AIと担当者が対応)。現在の状況に合わせて準備の進め方を案内します。

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目次

現在の募集状況を30秒で確認

最初に、いま確認すべき内容だけを整理します。

対象 現在の状況(2026年9月16日時点) 次に確認すること
令和9年度 第1回・前倒し Ⅰ類のみ。申込前 2026年11月2日〜27日にインターネット申込み
令和9年度 通常回 詳細未公表 警視庁採用サイトの更新を待つ
令和8年度 第1回 第1次・第2次とも終了 受験済みの人は警視庁からの通知を確認
令和8年度 第2回 申込と第1次試験は終了 第1次合格者は指定された第2次試験日を確認

令和9年度前倒し試験は、大学3年生相当の年齢から受験できるⅠ類試験です。筆記は教養試験との選択制ではなく、SPI3(GAT-U)が指定されています。第1次試験の合格者は、令和9年3月頃に予定されている通常の第1回第1次試験を受けられません。第2次試験は、通常の第1回第1次試験合格者と同じ時期に実施されます。

公表済みの詳細は、令和9年度の警察官採用試験について(警視庁)で確認できます。

令和8年度・令和9年度の日程

令和9年度「第1回・前倒し」の日程

項目 男性Ⅰ類 女性Ⅰ類
採用予定人員 400名程度 180名程度
申込受付 2026年11月2日(月)午前9時〜11月27日(金)午後5時 同左
第1次試験 2027年1月10日(日) 同左
第1次結果 2027年1月下旬 同左
第2次試験 2027年4〜5月頃(詳細は2026年12月頃公表予定) 同左
最終結果 2027年7月下旬 同左

前倒し試験の採用時期は、原則として大学既卒者・社会人が2027年10月以降、大学生等が2028年4月1日以降です。最終合格後すぐ全員が一斉に採用されるわけではありません。

令和8年度の日程

試験回 類別 申込受付 第1次試験 第2次試験
第1回・前倒し Ⅰ類 2025年11月17日〜28日 2026年1月11日 男性:4月4日・5日・11日・12日の指定日/女性:5月9日・10日・16日の指定日
第1回・通常 Ⅰ類・Ⅲ類 2026年2月2日〜13日 2026年3月8日 男性:4月4日・5日・11日・12日の指定日/女性:5月9日・10日・16日の指定日
第2回 Ⅰ類・Ⅲ類 2026年8月3日〜12日 2026年9月6日 男性:9月26日・10月3日・4日の指定日/女性:9月27日・10月10日・11日の指定日

令和8年度の申込みはインターネットのみでした。第2次試験は、警視庁が受験者ごとに上記日程のうち1日を指定します。

また、第1回のⅢ類は、2026年3月31日時点で高校を卒業している人、または高校卒業程度の学力を有する人が対象です。2027年3月に高校卒業見込みの人は、第2回のみ受験できます。

令和8年度の正確な日程と注意事項は、警察官(Ⅰ・Ⅲ類)の試験回・類別(警視庁)を確認してください。

受験資格

受験資格は「Ⅰ類なら大学卒業が必須」「Ⅲ類なら高校卒業者だけ」という単純な区分ではありません。学歴条件のほかに、一定の年齢範囲で「大学卒業程度」「高校卒業程度」の学力を有する人が受験できる条件もあります。

令和9年度前倒し・Ⅰ類

次のいずれかに該当する必要があります。

  • 1992年4月2日以降生まれで、大学(短期大学を除く)を卒業、または2028年3月までに卒業見込み
  • 1992年4月2日から2006年4月1日までに生まれ、大学卒業程度の学力を有する

警視庁は、令和9年4月1日時点で21歳となる大学3年生相当の年齢から前倒し試験を受験できると案内しています。

令和8年度・Ⅰ類

次のいずれかに該当する必要があります。

  • 1991年4月2日以降生まれで、大学(短期大学を除く)を卒業、または2027年3月までに卒業見込み
  • 1991年4月2日から2005年4月1日までに生まれ、大学卒業程度の学力を有する

令和8年度・Ⅲ類

第1回と第2回で、卒業見込み者の扱いが異なります。

  • 第1回:1991年4月2日以降生まれで高校を卒業した人、または1991年4月2日から2009年4月1日までに生まれ高校卒業程度の学力を有する人
  • 第2回:1991年4月2日以降生まれで高校を卒業または2027年3月までに卒業見込みの人、または1991年4月2日から2009年4月1日までに生まれ高校卒業程度の学力を有する人

受験できない人

警視庁の現行案内では、次のいずれかに該当する人は受験できません。

  • 日本国籍を有しない人
  • 拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終えるまで、または執行を受けることがなくなるまでの人
  • 東京都職員として懲戒免職の処分を受け、その日から2年を経過していない人
  • 日本国憲法またはその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党・団体を結成、または加入した人
  • 平成11年改正前の民法による準禁治産の宣告を受けている人(心神耗弱を原因とするものを除く)

自分が受験資格を満たすか判断に迷う場合は、一般的な解説ではなく、最新の試験案内を確認したうえで警視庁採用センターへ問い合わせてください。年齢制限を他の警察本部と比較したい人は、警察官になるには年齢制限がある?も参考にしてください。

第1次試験の内容

令和8年度の通常回は教養試験かSPI3を選ぶ

令和8年度の通常回では、申込時に「教養試験」または「SPI3(基礎能力検査)」を選択します。どちらか一方を選び、さらに論(作)文試験、資格経歴等の評定、適性検査を受けます。

科目 内容
教養試験 五肢択一式30題・70分。知能分野は文章理解、判断推理、数的処理、資料解釈、図形判断。知識分野は社会科学、国語・英語、時事問題
SPI3・Ⅰ類 GAT-U、択一式70題・70分
SPI3・Ⅲ類 GAT-H、択一式90〜95題・70分
論(作)文 課題式1題・60分。Ⅰ類は論文、Ⅲ類は作文
資格経歴等の評定 申請した資格・スポーツ等の経歴を証明書類に基づき評定
適性検査 警察官としての適性を記述式等で検査

教養試験は、現在の公式案内では30題・70分です。「50題・2時間」や独立した「国語試験50題・20分」は旧制度の内容なので、古い参考書や体験談を読むときは注意してください。

科目別の準備は、警視庁の一次試験攻略ガイド、SPI3の出題と対策、警視庁の教養試験対策、警視庁の論作文対策で詳しく解説しています。

令和9年度前倒しはSPI3固定

令和9年度前倒しの第1次試験は、教養試験との選択制ではありません。実施科目は次のとおりです。

  • SPI3(GAT-U):択一式70題・70分
  • 論文試験:課題式1題・60分
  • 資格経歴等の評定
  • 適性検査

民間就職と並行して準備している人も、警視庁向けの時間配分で問題を解き、論文を別枠で準備する必要があります。

第2次試験の内容

第2次試験では、面接、身体検査、体力検査、適性検査が行われます。

面接試験

人物についての面接です。警視庁の採用FAQは、面接態度、知識、警察職員になるうえでの気構えなど、さまざまな面から評価すると説明しています。志望動機だけを暗記するのではなく、これまでの経験、警視庁を選ぶ理由、希望する仕事、自分の強みと課題を一貫して説明できるように準備しましょう。

身体検査

検査項目は、視力、色覚、聴力、運動機能、医師の診察、身長・体重測定、レントゲン、血液、尿などです。現行案内の基準は次のとおりです。

  • 視力:裸眼視力が両眼とも0.6以上、または矯正視力が両眼とも1.0以上
  • 色覚・聴力:警察官の職務執行に支障がないこと
  • 疾患:職務執行上、支障のある疾患がないこと
  • その他の身体運動機能:職務執行に支障がないこと

身長と体重は測定項目ですが、現行の警視庁採用案内に男女別の数値最低基準は示されていません。過去の身長・体重の基準を載せた古い情報を見かけても、現在の受験資格ではありません。

体力検査・適性検査

体力検査の公表種目は、腕立て伏せ、バーピーテスト、上体起こし、反復横跳びです。種目は変更される場合があるため、受験年度の案内を確認してください。適性検査は記述式等で行われます。

具体的な準備は、警視庁の二次試験対策、警察官の体力検査対策、警視庁の身体検査も参考にしてください。

倍率と採用予定人員

令和8年度の採用予定人員は1,450名

令和8年度の採用予定人員は、男性1,020名、女性430名、合計1,450名です。

類別 男性・教養 男性・SPI3 女性・教養 女性・SPI3 合計
Ⅰ類 430名 290名 180名 120名 1,020名
Ⅲ類 180名 120名 80名 50名 430名
合計 610名 410名 260名 170名 1,450名

男性教養の予定人員には、共同試験による採用予定95名が内数として含まれます。共同試験の仕組みは、警視庁の共同試験で確認できます。

採用予定人員は募集計画であり、過去倍率の「合格者数」とは別の数字です。

令和5〜7年度の合格倍率

次の倍率は、警視庁が公表している「受験者数÷最終合格者数」の値です。申込者数を分母にした倍率ではありません。

区分 令和7年度 受験者/合格者/倍率 令和6年度 受験者/合格者/倍率 令和5年度 受験者/合格者/倍率
男性Ⅰ類・教養 3,368/1,105/3.0倍 4,196/1,128/3.7倍 4,978/824/6.0倍
男性Ⅰ類・SPI3 521/130/4.0倍 実施なし 実施なし
男性Ⅲ類・教養 2,159/642/3.4倍 1,960/358/5.5倍 2,173/272/8.0倍
男性Ⅲ類・SPI3 211/38/5.6倍 実施なし 実施なし
女性Ⅰ類・教養 1,278/474/2.7倍 1,469/388/3.8倍 1,737/304/5.7倍
女性Ⅰ類・SPI3 253/73/3.5倍 実施なし 実施なし
女性Ⅲ類・教養 813/238/3.4倍 716/162/4.4倍 815/136/6.0倍
女性Ⅲ類・SPI3 83/25/3.3倍 実施なし 実施なし

SPI3方式は令和7年度に始まったため、令和5・6年度との同方式比較はできません。また、倍率が低い区分なら簡単に合格できるという意味ではありません。最終結果は、第1次・第2次試験の結果を総合して決まります。

倍率の読み方と令和8年度の見通しは、警視庁採用試験の倍率解説も参考にしてください。

申込みから採用までの流れ

警視庁警察官になるまでの流れは、次のとおりです。

  1. 最新の試験案内で受験資格と日程を確認する
  2. 警視庁採用エントリーサイトで利用登録する
  3. 期間内に受験区分・方式を選んで申し込む
  4. 第1次試験を受ける
  5. 第1次合格後、指定日に第2次試験を受ける
  6. 第1次・第2次の総合判定により最終結果が決まる
  7. 最終合格者が採用候補者名簿に登載される
  8. 受験資格の確認と意向聴取等を経て採用者が決まる
  9. 警視庁巡査として採用され、警察学校で初任教養を受ける

最終合格と採用は同じではありません。 最終合格者は採用候補者名簿に登載され、受験資格の確認や意向聴取等を経て、採用者が決定します。令和8年度の初任教養期間はⅠ類6か月、Ⅲ類10か月です。

全国の都道府県警察を含めた全体像は、警察官になるには?採用までの流れで解説しています。

教養試験とSPI3の選び方

ここからは公式制度ではなく、警志塾の対策上の考え方です。令和8年度の通常回でどちらを選ぶかは、知名度や倍率だけでなく、現在の得点と残り期間で判断してください。

教養試験が候補になる人

  • 判断推理、数的処理、文章理解などの公務員試験対策をすでに進めている
  • 社会科学、国語・英語、時事問題を含む出題範囲に対応しやすい
  • 警視庁以外の公務員試験にも教養対策を利用したい

SPI3が候補になる人

  • 民間就職のSPI対策経験があり、形式に慣れている
  • 言語・非言語の基礎能力問題を速度重視で解くほうが得意
  • 公務員教養試験の知識分野を一から広く学ぶより、SPI3に集中したい

決める前に同じ条件で測る

教養とSPI3をそれぞれ本番と同じ70分で解き、正答率だけでなく、時間切れの問題数と伸ばせる分野を記録します。そのうえで、論作文・面接・体力にも必要な時間を残せる方式を選びましょう。

令和9年度前倒しはSPI3固定なので、方式を選ぶ必要はありません。前倒しを受ける人は、SPI3と論文を並行して進めてください。

残り期間別の対策

以下は合格を保証する時間数ではなく、現在地に応じて優先順位を決めるための目安です。

試験まで90日以上ある場合

まず教養・SPI3の両方を短時間で診断し、受験方式を決めます。筆記は苦手分野を特定して基礎から進め、週1回は時間を測って実戦形式で解きましょう。論作文は型だけ覚えるのではなく、警察の課題を調べて自分の経験と結び付けます。面接用の自己分析と基礎体力づくりも、この時期から始めると直前の負担を減らせます。

試験まで30〜89日の場合

得点につながる分野へ絞ります。毎週、本番時間で筆記を解き、誤答原因を「知識不足」「解法不足」「時間不足」に分けて修正します。論作文は定期的に書き、第三者の添削を受けるのが理想です。志望動機、自己PR、希望する仕事は、丸暗記ではなく質問を変えられても説明できる状態にします。

試験まで29日以下の場合

新しい教材を増やさず、受験票、会場、携行品、資格経歴の証明書類を先に確認します。筆記は頻出分野と時間配分を固め、論作文は複数テーマの骨子を短時間で作る練習をします。睡眠や体調を崩す追い込みは避け、第2次試験を見据えて面接と体力も完全には止めないようにします。

学習計画の立て方は、警視庁採用試験の勉強法も参考にしてください。

よくある質問

警視庁Ⅰ類は大学卒業が必須ですか?

大学卒業・卒業見込みのほか、年齢条件を満たし、大学卒業程度の学力を有する人も受験できます。学力要件を満たすと本人が考えれば受験でき、学力は採用試験の結果によって確認されます。年度ごとの生年月日条件は必ず最新案内で確認してください。

教養試験とSPI3は両方受けますか?

通常回は、申込時に教養試験かSPI3のどちらか一方を選びます。両方を受験するわけではありません。令和9年度前倒し試験の筆記はSPI3に指定されています。

身長・体重に最低基準はありますか?

現行案内では、身長・体重は身体検査の測定項目ですが、数値による最低基準は示されていません。視力、色覚・聴力、疾患、身体運動機能については公式の基準があります。

最終合格すれば必ず採用されますか?

最終合格後は採用候補者名簿に登載され、受験資格の確認や意向聴取等を経て採用者が決まります。したがって、「最終合格=その場で採用決定」ではありません。

まとめ

令和9年度前倒し試験はⅠ類のみで、申込期間は2026年11月2日から27日、第1次試験は2027年1月10日です。筆記はSPI3で、教養試験との選択制ではありません。

令和8年度の通常回は、教養試験またはSPI3を申込時に選び、論作文、資格経歴等の評定、適性検査、さらに第2次の面接・身体・体力・適性検査を受ける構成です。受験資格、日程、採用予定人員は年度ごとに変わるため、申し込む直前に警視庁の公式案内を確認してください。

一次情報・参考リンク

安齋 海社(警志塾 講師/元警視庁警察官)

この記事の監修者

安齋 海社警志塾 講師/元警視庁警察官

2015年に警視庁警察学校へ入校し、卒業後は三田警察署に配属。2018年から警視庁警備部機動隊に所属し、2020年に退職。現在は警視庁採用試験に特化したオンライン予備校「警志塾」で、面接対策を中心に受験指導を行っています。記事は警視庁・警察庁の公式発表をもとに作成し、制度変更にあわせて更新しています。

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情報確認日:2026年9月16日(公式サイトの最新情報と照合)

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