結論:警視庁の令和8年度警察官採用案内には、試験科目と問題数は掲載されていますが、教養試験・SPI3の最低合格点、科目別配点、面接の配点、体力検査の合格回数は公表されていません。「教養18点」「SPI3は6割」を警視庁の公式ボーダーとして扱うことはできません。警視庁の令和8年度採用案内で確認できる事実と、非公表事項を分けて解説します。
一方、地方の県警には配点を受験案内で公表しているところがあります。この記事では14自治体の配点表と、合算型・リセット型という採点方式の違いも公式資料から整理しました。他県警の数値を警視庁の合格ラインに当てはめず、志望先の最新案内を確認してください。警視庁の情報は2026年9月20日、各県警の受験案内は2026年9月21日時点の公開資料を基にしています。
警視庁OBの安齋です。警志塾では受験者の試験対策を支援しています。この記事では、公式資料で確かめられる範囲を明示し、点数が非公表でも進められる準備を整理します。
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警視庁の配点・合格ラインは公表されている?
令和8年度の警視庁は、教養試験・SPI3・論(作)文試験・資格経歴等の評定・適性検査を第1次試験に、面接試験・身体検査・体力検査・適性検査を第2次試験に設けています。一方、各科目の配点や「何点なら合格」という数値は採用案内に掲載していません。
| 項目 | 公式に確認できること | 公開案内からは分からないこと |
|---|---|---|
| 教養試験 | 五肢択一式30題・1時間10分 | 最低合格点・科目別配点 |
| SPI3 | Ⅰ類70題、Ⅲ類90〜95題・各1時間10分 | 正答率の合格ライン・配点 |
| 論(作)文 | 1題・1時間 | 採点方式・配点・最低点 |
| 面接試験 | 第2次試験で人物を評価 | 面接の点数・全体に占める比率 |
| 体力検査 | 腕立て伏せ、バーピーテスト、上体起こし、反復横跳び | 合格回数・配点・足切り数値 |
出典:警視庁「警察官(Ⅰ・Ⅲ類)」。表の「分からないこと」は、同ページの公開内容で数値を確認できない項目です。非公表だから基準が存在しない、という意味ではありません。
教養18点・SPI3「6割」で合格できる?
警視庁の公式ボーダーは確認できません。教養試験が30題であることは公式情報です。30題の6割が18題という計算はできますが、18点が一次合格ラインだと示す根拠にはなりません。SPI3についても「6割で合格」という公式基準は公表されていません。
合格者の自己申告や塾内の受験例があっても、受験年度・区分・受験者全体の得点分布が異なれば一般化できません。合格ラインの代わりに、過去問や模擬問題で自分の弱点を把握し、制限時間内に解く練習を重ねましょう。具体的な科目と準備方法は警視庁の一次試験ガイドとSPI3対策記事で分けて解説しています。
第1次と第2次の点数は単純に合算される?
警視庁は最終結果を第1次・第2次試験の結果を総合的に判定して決定すると案内しています。ただし、一次の点数を何点持ち越すか、二次とどの比率で合算するかは公表していません。「一次の貯金で面接の失敗を補える」「面接だけが高配点」と断定することは避けましょう。
第2次試験には面接だけでなく身体検査・体力検査・適性検査も含まれます。得点の重みを予測して一科目を捨てるより、各科目の要件と当日の案内を確認し、準備を並行するのが現実的です。第2次試験の全体像と体力検査の4種目も参照してください。
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配点を公表している県警の配点表(14自治体)
警視庁は配点を公表していませんが、地方の県警には受験案内で配点を明示しているところがあります。ここでは14自治体の受験案内(主に令和8年度・大卒程度の区分)を確認し、教養・論作文・面接・体力の配点をまとめました。警視庁の配点ではなく、他県警の公表例から「配点の考え方」をつかむための参考としてご覧ください。
一次と二次の得点を合算して最終合格を決める県警(10自治体)
| 自治体・年度・区分 | 教養/論作文 | 面接(総点比) | 体力ほか/総点 |
|---|---|---|---|
| 青森県警 令和8年度・警察官A | 教養80/論文40 | 175点(52%) 集団75+個別100 | 体力40 総点335点 |
| 秋田県警 令和7年度第1回・警察官A | 教養100/論文100 | 300点(50%) 個別 | 体力100 総点600点 |
| 群馬県警 令和8年度第1回・警察官A | 教養300/論文100 | 500点(44%) 人物試験(個別面接+適性検査) | 体力200/資格加点30 総点1,130点 |
| 埼玉県警 令和8年度・Ⅰ類(教養試験枠) | 教養100/論文100 | 300点(43%) 個別 | 身体・体力検査200/資格加点5 総点705点 |
| 富山県警 令和8年度・警察官A | 教養100/作文40 | 240点(59%) 個別2回 | 体力20/資格加点10 総点410点 |
| 石川県警 令和8年度・警察官A | 教養100/論文100 | 1200点(80%) 個別 | 体力80/資格加点上限20 総点1,500点 |
| 島根県警 令和8年度・警察官A(大学卒) | 教養180/作文200 | 500点(50%) 個別 | 体力90/特技加点30 総点1,000点 |
| 広島県警 令和8年度第1回・警察官A(一般方式) | 教養70/論文30 | 80点(40%) 個別(第3次試験) | 体力20 総点200点 |
| 徳島県警 令和8年度・警察官A | 教養100/エントリーシート30 | 120点(40%) 個別2回 | 体力50 総点300点 |
| 宮崎県警 令和8年度第1回・警察官A | SPI3 100/論文20 | 240点(60%) 個別2回 | 体力40 総点400点 |
一次の得点を最終合格に持ち越さない県警(4自治体)
| 自治体・年度・区分 | 第1次試験の配点 | 最終合格を決める配点 | うち面接 |
|---|---|---|---|
| 長野県警 2026年度第1回・警察官A(一般) | 教養400(資格・技能加点あり) | 論文250/口述750/体力100=1,100点 | 68% |
| 京都府警 令和8年度第1回 | 教養100/集団討論100/体力40/資格加点10=250点 | 作文100(1次日に実施)/個別面接300=400点 | 75% |
| 愛媛県警 令和8年度・警察官(大学卒)通常型 | 教養50/体力16/資格等加点5=71点 | 個別面接75/作文30=105点 | 71% |
| 福岡県警 令和8年度第1回・警察官A | 教養50/人物試験50=100点 | 人物試験80/論文20(1次日に実施)=100点 | 80% |
配点表から読み取れる3つのこと
- 面接の比重はどの県でも大きい。面接(人物試験)が総点に占める割合は、14自治体で40〜80%でした。最も低い広島・徳島でも4割、石川や福岡(二次)は8割です。
- 教養試験の比重は高くても3割台。合算型の10自治体では、教養(またはSPI3)が総点に占める割合は約7〜35%です。筆記は「通過するための試験」、面接は「順位を決める試験」という性格が数字に表れています。
- 体力検査にも点数がつく県が多い。14自治体のうち13自治体が体力検査に配点を設けています(福岡は可否判定のみ)。合否だけでなく得点差がつく種目として準備が必要です。
私が警視庁の受験指導をしていて感じるのも、筆記を通過したあとの面接準備の差が結果を分けるという点です。ただし、上の比率はあくまで各県警の公表値です。警視庁の面接が何割を占めるかは公表されておらず、ここから推測することはできません。
出典(各県警・人事委員会の受験案内)
- 青森県警:令和8年度 警察官A 受験案内
- 秋田県警:令和7年度 警察官A(第1回)受験案内
- 群馬県警:令和8年度第1回 受験案内
- 埼玉県警:令和8年度 試験案内
- 富山県警:令和8年度 警察官A 受験案内
- 石川県警:令和8年度 警察官A 受験案内
- 島根県警:令和8年度 警察官A 試験案内
- 広島県警:令和8年度第1回 受験案内
- 徳島県警:令和8年度 警察官A 受験案内
- 宮崎県警:令和8年度第1回 受験案内
- 長野県警:2026年度 警察官A(第1回)受験案内
- 京都府警:令和8年度第1回 試験案内
- 愛媛県警:令和8年度 警察官(大学卒)試験案内
- 福岡県警:令和8年度第1回 受験案内
確認日は2026年9月21日です。秋田県警は令和8年度版の掲載が終了していたため、令和7年度第1回の受験案内で確認しました。岡山県警の受験案内(令和8年度第2回)は「一定の基準」の記載のみで、配点の数値は確認できませんでした。表にない自治体は未調査です。
採点方式は大きく2通り|合算型とリセット型
配点とあわせて確認したいのが、一次試験の得点が最終合格の判定に使われるかどうかです。受験案内の「合格者の決定方法」に書かれており、大きく2通りに分かれます。
①合算型:一次と二次の総合得点で決まる
一次試験と二次試験の得点を合計し、総合得点の高い順に最終合格者を決める方式です。埼玉県警は「最終合格者は、第1次試験と第2次試験の総合得点で決定」、徳島県警は「第1次試験の得点と第2次試験の得点を合計した総合得点の高い順に決定」と明記しています。この方式では、筆記で稼いだ点が最後まで効きます。一次は通過すればよいと考えず、1点でも多く取っておく意味があります。
②リセット型:一次の得点を持ち越さない
一次試験は二次試験に進む人を決めるためだけに使い、最終合格は二次試験の得点で決める方式です。福岡県警は「第1次試験の成績は、第2次試験に反映されません」、愛媛県警は「最終合格者は、第2次試験の合計得点の高い順に決定」としています。京都府警は、一次試験日に書いた作文だけを二次試験の配点に含め、「第1次試験の作文試験及び第2次試験の結果に基づいて決定」する形です。この方式では、筆記がぎりぎりの通過でも面接で逆転できますが、逆に筆記の貯金は使えません。
どちらの方式でも「基準点」に注意
今回確認した県警の多くは、種目ごとに基準点(いわゆる足切り)を設けています。石川県警は体力検査4種目の合計が40点未満だと不合格、秋田・石川は教養試験が基準に満たないと論文を採点しない、福岡県警は「合格基準に満たない試験種目がある場合は、総合得点にかかわらず不合格」としています。総合点が高くても、1種目の基準割れで不合格になる仕組みです。配点の低い種目を捨てる作戦は危険だと考えてください。
警視庁は「第1次及び第2次試験の結果を総合的に判定」と案内しているだけで、合算の比率や基準点は公表していません。どちらの方式に近いかを断定せず、すべての種目で基準を割らない準備を進めるのが安全です。
志望先の配点を自分で調べる方法
県警ごとに、配点を公表する範囲や判定方法は異なります。全国共通の合格点はありません。以前の年度の一覧表や近隣県の点数を、今年の志望先の基準として使わないことが重要です。
- 志望先の警察本部・人事委員会が公開する当該年度の採用試験案内を開く
- Ⅰ類/Ⅲ類、教養/SPI3、試験回、男女など、自分の区分と一致する表を確認する
- 配点・最低基準・総合判定の記載を探し、記載がなければ非公表として扱う。不明点は採用担当へ問い合わせる
過年度の県別配点は制度変更で使えなくなる場合があります。ネット上の「全国の配点一覧」は年度や区分が混在していることがあるため、必ず志望先の一次資料で確かめてください。
資格は何点加算される?「資格経歴等の評定」の見方
警視庁の公式名称は「資格経歴等の評定」です。語学・情報処理の資格、スポーツ等の段位や大会出場歴などを申込時に申請し、証明資料に基づいて評定し、採用試験の成績の一部とします。対象例や申請方法は令和8年度の警視庁公式案内で確認してください。
資格ごとの加算点数は公開案内に示されていません。「難しい資格なら必ず高得点」「資格があれば合格点を確実に底上げできる」とは言えません。既に持つ資格・経歴は申請条件を確認し、新たな取得を考えるときは試験日までの学習時間とのバランスを取りましょう。
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令和9年度の前倒し試験を受ける場合
警視庁の令和9年度第1回・前倒しの第1次試験は、令和9年1月10日(日)の予定で、筆記はSPI3です。通常の第1回試験と同じように教養試験を選べるわけではありません。受付期間や受験資格は令和9年度前倒し試験の公式案内を必ず確認してください。
配点が非公表でも進められる対策
- 教養・SPI3は自分が受ける方式を確認し、公開された問題数・制限時間で練習する
- 論(作)文は課題への回答、根拠、結論のつながりを見直し、第三者に読んでもらう
- 面接は志望動機・経験・希望部署を整理し、声に出して説明する練習をする
- 体力検査は公式に示された4種目を無理なく練習し、受験案内と当日の指示を優先する
- 資格経歴等は申込時の申請方法と証明資料を確認する
「何点取れば安全か」を推測するより、公式に分かる試験内容と自分の課題から学習計画を作る方が、年度変更にも対応しやすくなります。警志塾では公式LINEで無料の合格診断を受け付けています。
配点・合格ラインのよくある質問
- 警視庁の教養試験は何点で合格ですか?
-
令和8年度は30題・1時間10分と公表されていますが、最低合格点は公表されていません。18点を公式ボーダーとして扱うことはできません。
- 警視庁のSPI3は何割で合格ですか?
-
正答率の合格ラインは非公表です。令和8年度案内ではⅠ類70題、Ⅲ類90〜95題で、いずれも1時間10分です。
- 面接試験の配点は筆記より高いですか?
-
警視庁は科目別配点と比率を公開していません。面接を重視して準備することと、面接の配点が高いと断定することは別です。
- 体力検査は何回できれば合格ですか?
-
令和8年度案内に4種目は掲載されていますが、合格回数・足切り点は掲載されていません。受験案内と当日の指示を確認してください。
- 資格を取得すると何点加算されますか?
-
警視庁は資格経歴等を評定すると案内していますが、資格ごとの加算点数は公開していません。申請対象と証明方法は公式案内を確認してください。
- 令和9年度の前倒し試験で教養試験を選べますか?
-
第1回・前倒しの第1次試験の筆記はSPI3です。受付日程・受験資格を令和9年度の公式案内で確認してください。
- 配点を公表している県警はありますか?
-
あります。今回確認した範囲では、青森・秋田・群馬・埼玉・富山・石川・長野・京都・島根・広島・徳島・愛媛・宮崎・福岡の14自治体が受験案内で配点を公表しています。面接の配点は総点の40〜80%でした。年度や区分で変わるため、志望先の最新の受験案内で確認してください。
- 一次試験の点数は最終合格に持ち越されますか?
-
自治体によります。埼玉・徳島などは一次と二次の総合得点で最終合格を決め、福岡・愛媛・長野などは一次の得点を最終合格の判定に使いません。警視庁は「総合的に判定」と案内しており、比率は公表していません。
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一次出典:令和8年度 警視庁警察官採用案内/資格経歴等の評定/令和9年度 前倒し試験案内。公開資料の確認日:2026年9月20日。
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